寺報「ねがい」
お知らせ
2024.12.30
正直者からは 正直者の光が
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私が、三月末で職を退くということを聞いたS地区のおとうさん方が「お別れが避けられないなら、ぜひ、ここの地区の子どもたちのために、先生のことばを書き遺しておいてやってください」と、大きな紙をもってこられました。字を書くことの下手くそな私なのですが、遺言のつもりで、勇を鼓して、私は、次のように書きました。

「自分は自分の主人公」

自分は自分の主人公

世界でただ一人の自分を創(つく)っていく責任者

少々つらいことがあったからといって

ヤケなんかおこすまい(中略)

ひとりの喜びはみんなでわけて

大きい喜びにして喜びあい

ひとりの悲しみはみんなでわけて

小さくして背負いあい

いばったり いばられたり

いじめたり いじめられたりする関係を追っぱらい

みんな仲良く ひとり残らず

存分に光を放ちあって生きられるような

光いっぱいの地区 光いっぱいの町を

つくろうじゃないか

だって

自分の地区 自分の町だもんな

自分はその主人公 責任者なんだからな。

出典:東井(とうい)義雄(よしお)「正直者からは正直者の光が」探究社・法藏館(令和6年8月)2頁—5頁