寺報「ねがい」
お知らせ
2025.08.01
生かされて生きる 私のよろこび
Image

未知の女子大生から手紙を貰ったことがあります。「友達の意地悪に耐えられないので自殺を決意しましたが、(中略)この方に相談してからにしようと思ってペンを執りました」という手紙でした。

私は、天地いっぱいにみちみちていてくださる大いなるものの願いに願われ、生かされて生きる私のよろこびの実感を、手紙に書き速達で送りました。

さいわい、自殺を思いとどまってくれたばかりか、こんなすばらしい世界に生かされながら、それを知らずにきた私がはずかしい。意地悪の友だちのおかげで、こんなすばらしい世界に目覚めさせていただくことができたのですから、今では、友だちを拝みたい気持ちです、と返事をくれました。

今の日本の「大いなるものの願い」に背を向けてしまっている学校教育の中で、この女子大生は「死」に追い込まれてしまうところだったのです。

出典:東井(とうい)義雄(よしお)[1]「正直者からは正直者の光が」探究社・法藏館(令和6年8月)21頁—22頁

[1] 1912年、兵庫県豊岡市但東町の真宗寺院に生まれた。1932年に兵庫県姫路師範学校を卒業して40年間、県下の小・中学校に勤務。ぺスタロッチー賞(広島大学)、平和文化賞(神戸新聞)、教育功労賞(文部省)など、数々の教育関係の賞を受賞。篤信の念仏者としても知られている。1991年4月18日に逝去。豊岡市但東町(元町役場に隣接)に東井義雄記念館がある。