寺報「ねがい」
お知らせ
2024.10.30
お米のいのち 心から拝んでいただく
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数えきれないほどのお米の一粒々々が

一粒々々のかけがいのないいのちを

ひっさげて

いま この茶碗の中に

わたしのために

怠(なま)けているわたしの胃袋に

目を覚(さ)まさせるために山椒(さんしょう)が

山椒のいのちをひっさげて

 

わたしのために

梅干しもその横に

わたしのために…

白菜の漬物が

白菜のいのちをひっさげ

万点の味をもって

わたしのために……。

 

もったいなさすぎる

もったいなさすぎる

出典:東井(とうい)義雄(よしお)[1]「お米のいのち心から拝んでいただく」探究社・法藏館(令和5年8月)28頁—29頁

[1] 1912年、兵庫県豊岡市但東町の真宗寺院に生まれた。1932年に兵庫県姫路師範学校を卒業して40年間、県下の小・中学校に勤務。ぺスタロッチー賞(広島大学)、平和文化賞(神戸新聞)、教育功労賞(文部省)など、数々の教育関係の賞を受賞。篤信の念仏者としても知られている。1991年4月18日に逝去。豊岡市但東町(元町役場に隣接)に東井義雄記念館がある。