寺報「ねがい」
お知らせ
2024.03.25
雨の日には 雨の日のおめぐみ
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(前略)定年を前に、最後の運動会を計画してもらった前日、測候所が「風雨注意報」を出しました。私ども素人が空を眺めてみても、当日は雨と思われました。しかし、当日になってみないと天気はわかりません。予定通り、運動会ができるように、準備を進めてもらいました。(中略)

翌日の運動会の準備のすべてを終わった最高学年の子どもたちに、最高学年の担任でもあり、体育主任でもある米田啓祐先生が、話しているようでした。

「もしも、明日、雨が降っても、決して天に向かってブツブツいうな。雨の日には雨の日の生き方がある」

私は、思わず、立ちどまって、このことばを聞きました。(中略)ほんとうにそうだと思いました。もし、雨が降ったら、明日を「雨が降ったおかげで、運動会はできなかったけれども、こんないい日にすることができた」と言えるような一日にすることこそが大切なことです。(中略)

親鸞聖人がおっしゃっているように、決して「よい日」「わるい日」があるのではないのです。

雨の日には雨の日の

病む日には病む日の

老いの日には老いの日の

かけがえのない大切な人生がある

のです。どの日もどの日も、大切な日ばかりなのです。決して、決して「ブツブツ」で汚してはならないのです。

出典:東井(とうい)義雄(よしお)「お米のいのち心から拝んでいただく」探究社・法藏館(令和5年8月)11頁—13頁